片足切断後もプレーしたメジャーリーグの投手

どん底から這い上がった選手

1980年代後半から1990年代にかけて、隻腕でありながらメジャーリーグで活躍したジム・アボットという投手がいました。アボットは生まれつき右腕の手首から先が無く、健常だった左腕で投球、捕球、送球の全てを行うプレースタイルで活躍しました。それでは片足が無い人の場合はどうでしょうか。そもそも野球ができないのではないかと考える人が多いことでしょう。しかし、長いメジャーリーグの歴史の中には、片足を失いながらもプレーを続けたモンティ・ストラットンという投手がいます。

モンティ・ストラットンは、1912年生まれで、1934年から1938年までの間にメジャーリーグで活躍した投手です。1938年のシーズンオフにウサギ狩りをしているときに、誤って猟銃を暴発させてしまい、右足の太ももから下を切断する重傷を負いました。しかし、義足を付け、メジャーリーグ復帰の夢をあきらめることなく、妻を相手として練習を続けました。そして、とうとう1946年にメジャーリーグ下部のマイナーリーグで復帰を果たし、この年18勝を挙げる活躍を見せました。その後、メジャーリーグへの復帰はかなわなかったものの、マイナーリーグで1953年までプレーを続けました。

右足を失った失意のどん底からメジャーリーグへの復帰を目指して奮闘し、マイナーリーグに復帰するまでのストラットンの姿は、1949年に制作された「The Stratton Story(邦題:甦る熱球)」という第22回アカデミー原案賞を受賞した映画に描かれていますので、興味のある方はご覧ください。

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